• 2018年11月21日
  • お知らせ

日本の労働制度の抜本的な改革に取り組む「働き方改革」の機運の中、多様な働き方を実現する制度のひとつとして、テレワーク制度への注目が高まっています。一方、テレワークという働き方についてよく知らない、という方も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、テレワークの定義、近年の動向と、制度導入時に役立つ助成制度、総務省の資料をまとめてご紹介します。

 

テレワークとは

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語

テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つに分けられます。

・在宅勤務:自宅にいて、会社とはパソコンとインターネット、電話、ファクスで連絡をとる働き方。

・モバイルワーク:顧客先や移動中に、パソコンや携帯電話を使う働き方。

・サテライトオフィス勤務:勤務先以外のオフィススペースでパソコンなどを利用した働き方。一社専用で社内LANがつながるスポットオフィス、専用サテライト、数社の共同サテライト、レンタルオフィスなどの施設が利用され、都市企業は郊外にサテライトを、地方企業は都心部にサテライトを置く。(一般社団法人日本テレワーク協会ホームページより抜粋)

近年の動向について

2011年東日本大震災を経て、公共交通機関の運休時・計画停電の実施時などにおいての業務の滞りをいかに最小限に抑えるか、首都圏の企業の持つ課題として、関心が寄せられてきました。円滑な業務実施・継続を可能とする勤務形態として、BCP(事業継続性計画:Business Continuity Plan)の観点から注目された制度が、テレワークでした。

また、ワークライフバランスの重視傾向、2020年7月の東京オリンピック・パラリンピックの交通混雑を見据え、特に近年はその制度の周知啓発に強く注力されています。

総務省の平成29年度の調査結果では、調査対象のうちテレワークを導入済みの企業は3.0%の低水準に留まっています。一方で、社内の情報システム面の充足状況、また、働き方改革に関連する社内精度の施策状況を鑑み、その環境が整っている「テレワーク導入可能群」「テレワーク導入準可能群」については、56.1%の調査対象が該当するとの見解を示しています。

 

以下画像:総務省ホームページ「平成29年版情報通信白書のポイント」第1部 特集 データ主導経済と社会変革 より抜粋

 

テレワーク導入にかかる助成金

厚生労働省、各自治体により、テレワーク勤務導入時の費用を助成する制度が設けられています。主に、導入にかかる機器やシステム、サテライトオフィスの設立・利用にかかる費用負担を一部支給してもらえるような性質の助成金です。助成要件として、テレワーク勤務がきちんと実施されているか、対象者や頻度の確認を要するものや、設定した目標の達成状況に応じて、助成額が増額されるものがあります。今年度の助成金制度につき、以下例示します。

時間外労働等改善助成金(テレワークコース) 

厚生労働省の助成金で、支給額上限は1企業あたり150万円(費用の3/4)です。

テレワーク活用・働く女性応援助成金(テレワーク活用推進コース) :

公益財団法人東京しごと財団の助成金で、テレワーク機器導入事業、サテライトオフィス利用事業の2種類の助成があり、それぞれ250万円(費用の1/2)が上限です。

サテライトオフィス設置等補助事業 :(平成30年度の公募終了)

東京都産業労働局の助成金で、整備・改修費2,000万円、運営費800万円が上限です。

 

導入時の課題の確認

総務省ホームページ内「テレワークの推進」情報ページにて、『働き方改革のためのテレワーク導入モデル』が掲載されています。テレワークを段階的に導入、全社展開・普及していくためのノウハウやプラクティスについて、テレワーク先進企業の具体的な事例を交えつつ紹介している資料となります。テレワーク導入モデルとして、「業種」と「企業規模(従業員数)」の2軸と課題から、企業類型に分類し、企業類型ごとに、各導入ステージで直面する課題と対策を事例を交えて掲載しています。

テレワーク導入について、なんとなく抵抗感がある、導入のイメージが描けないという人であれば、ご参考としていただける資料かと思います。課題の存在を感じているが具体的な定義までに至らない、解決施策のイメージをできない場合には、導入モデルを参照いただくことで、現状と対策をより具体的に認識できるかもしれません。

例えば遠隔通信への理解が深い風土の、情報通信産業の会社においては、いわゆる「『食わず嫌い』な社内経営層への対応」「『不公平感』の払拭」は課題とならないかもしれませんが、「人工ビジネスにおける客先の理解獲得」の困難により、かえってテレワークが浸透しない状況がありそうです。

これからの動向:2020年オリンピックにむけての政府呼びかけ

昨年2017年から、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府では、東京都及び関係団体と連携し、働き方改革の国民運動を展開しています。2020年東京オリンピックの開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、テレワークの全国一斉実施を呼びかけています。

今年2018年は7月23日(月)~7月27日(金)の期間中、7月24日とほか2日以上を「テレワーク・デイズ」として実施していました。公募時の参加目標2,000団体10万人に対し、1,260団体20万人が参加した結果となりました。詳細な実施状況については、総務省から先月10月17日に、資料公開されています。23区内エリア別の通勤者数の減少比較、テレワーク参加団体へのアンケート回答等を掲載し、現実的にテレワーク制度を導入する際の、具体的な課題の発見や影響度を測る機会となったことが伺えます。

来年以降の方向性として、今年の実施結果も踏まえた上で、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会時のテレワーク実施目標を検討・設定、その目標に基づき2019年度のテレワーク国民運動の実施内容が決定される予定です。また全国的なテレワークの定着に向けて、2020年の東京競技大会を契機とする周知啓発等の施策を検討しているとのことです。

まとめ

少なくとも再来年まで、企業へのテレワーク制度の導入が、国をあげて推奨される状態が続きます。ワークライフバランスや業務生産性の向上のみならず、人材の採用においても、多様な働き方を取り入れる動きが、ますます重視されていくことが想定されます。

知識の確認を適宜行い、労働制度の社会的な変革に対応できるよう、取り組んでいきましょう。