• 2018年12月5日
  • お知らせ

いよいよ冬の気配を感じる時期となっていきました。人事のみなさまは年末調整業務が佳境になっている頃かと思います。

今年は所得税の法改正で配偶者控除申告書が提出書類として追加されていることから、各社様ともどのように申告書を社内に案内するか頭を悩ませていらっしゃるようでした。

さて、11月の労務法改正の動向をお送りいたします。

 

高度プロフェッショナル制度 導入フローが公開

来年4月からの施行に向けて、労働政策審議会から高度プロフェッショナル制度を実際に企業で導入するフローが公開されました。労使委員会の設置や決議、労使委員会での具体的な決議内容など、これまでに議論がなされてきた内容が導入フローとしてまとめられた内容です。制度の対象となる業務の要件については、引き続き議論が行われています。

厚生労働省「「高度プロフェッショナル制度」の導入フロー」

厚生労働省「高度プロフェッショナル制度の対象業務(素案)」

 

厚生労働省 パワハラ対策を法制化の方針

厚生労働省の労働政策審議会にて、パワーハラスメント行為を防止する対策を義務付ける法律が検討されています。検討の中では、パワーハラスメントを防止するために企業が講ずる対応策の案や、刑事責任、民事責任を問う場合の効果や課題があげられました。企業側の審議会委員はパワハラとハラスメントの課題を深刻化していると捉え、来年中に関連法案を国会提出すること目指しています。

厚生労働省「パワーハラスメントを防止するために事業主が講ずる対応策として考えられるもの」

 

健康保険 被扶養者への適用要件に国内居住要件を追加の方針

現行の健康保険では、被扶養者へ健康保険を適用する際に日本に居住していることが要件ではないないため、日本に住んでいない外国人労働者の家族にも適用されることとなります。近年、外国人労働者の増加にともない、現行制度では医療費が増大する可能性を鑑み、被扶養者の適用要件に国内に住んでいることを追加する方針です。

 

外国人労働者の受入に上限数を提示 建設業では4万人

政府は、人手不足を背景とした外国人労働者の受け入れ拡大にあたって、入国管理法の改正を行う方針です。建設業を含む14業種で最大35万人の受け入れを見込んでおり、外国人労働者の健康保険や厚生年金について加入用件の確認を厳格化するなど運用を改善する考えです。

 

天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案が提出

政府は、来年の皇位継承にともなう5/1の即位日を祝日とする法案を閣議決定しました。これにより、4/27(土)から5/6(月)までの10日間が連休となります。給与支給日によっては振り込みデータ送信のスケジュールに影響する場合もあるかと思われますので、ご一読いただければと思います。

内閣府「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案の概要」

 

政府 新卒採用活動日程の連絡協議会を開催

政府は、経団連が10月に発表した2021年度以降に入社の新卒学生について就職・採用活動のルールを策定しないという方針を受け、関係省庁による連絡協議会を開催しました。結論案としては、2020年度卒における採用活動は2019年度卒と同様としました。また、2021年度卒については来年度以降に改めて検討を行うとしつつ、当面は現行の日程を変更する必要は高くないとしています。

内閣府「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議のとりまとめ ポイント」

 

キャリアアップ助成金 支給額上限を3倍とする検討

現在、パート・アルバイトなど短時間労働者の労働時間を延長し社会保険を適用した場合、中小企業であれば1事業所あたり上限360万円が支給されるキャリアアップ助成金ですが、一人当たりの助成額や対象人数の引き上げによって助成を拡充する検討を経済財政諮問会議で行うとのこと。社会保険加入者の増加や国の社会保険料の負担軽減などがねらい。

 

来年4月から労働条件の通知がFAXやメールでも可能になります!

厚生労働省は、現在、労働基準法第15条で定められている労働条件の「書面」での通知について、来年の4月1日からFAXや電子メール等でも可能にし、規制を緩和させることを決めました。書面として印刷できれば問題ないと判断したことによるもので、企業にとっては印刷や郵送にかかるコストや手間の削減ともなり、利便性が高まることが期待されます。

◇労基法施行規則を改正

具体的には、今年の9月7日に公布された働き方改革法関連法に基づく省令で、労働基準法施行規則第5条第4項に下記の下線部分が追加されました(2019年4月1日施行)。

【労働基準法施行規則第5条】

第4項 法第15条第1項後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。ただし、当該労働者が同項に規定する事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを希望した場合には、当該方法とすることができる。

  1. ファクシミリを利用してする送信の方法
  2. 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信の方法 (当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)

◇本人の希望が条件

今回の規制緩和は、労働者がFAXや電子メール等での通知を希望することが条件となっています。本人に通知方法を確認し、FAXや電子メール等での受取りを希望しない場合は、今までどおり書面で通知しなければなりません。

また、電子メールで送信する場合の具体的なファイル形式(メールの本文または一定形式の添付ファイルに限られるのか、どちらでもよいのか等)や、本人が確実に受け取ったかどうかの確認の要否などについては、現時点では明らかになっていません。施行までになんらかの基準が示される可能性もありますので、注意が必要です。

 

以上となります。

動きのあった内容としては、外国人労働者の対応に関連したニュースでしょうか。ご支援させていただいている会社様でも、働き手の不足を補うために外国人を雇い入れていく動きが活発になっていることを肌で感じております。

会社様によって外国人の受け入れ方法は異なる様で、仲介会社を利用した外国人実習生の雇い入れや、海外の大学に訪問して学生のスカウトを行うなどといった例を伺っています。

また、新卒一括採用の日程を検討する政府の連絡協議会も立ち上がり、安定的に人材を確保できていた新卒一括採用もこれまでどおりの採用数を見込めるか不透明な状況が続くと思われます。

入国管理法の改正も検討されて行く中で、外国人労働者の受け入れという採用方法の選択肢を取る会社様ではその労務対応が増加することもあるかと思われます。

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